不動産売却で行われる現状渡しとは?注意点も紹介します

不動産を売却する時には、いくつかの方法から選ぶ必要があります。
その中で、現状渡しという方法を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現状渡しを行う時にはいくつか注意しなければいけない点があります。
今回は、現状渡しとは何かについて紹介していきます。

目次

■現状渡しとは?

現状渡しとは、不動産売買において、目に見えるトラブルを補修しないまま引き渡しを行うことです。
一般的な不動産売買の場合、売却する物件の壊れている部分を修復したり補修したりした後に引き渡しを行うようになっています。
破損している個所を直してから売りに出すことで売れやすくなることがメリットです。

一方で、現状渡しでは傷やヒビを補修しないため、補修費用を節約できるというメリットはありますが、売却額は下がってしまいます。

以下に、現状渡しに関する主要なポイントを説明します:

  1. 契約書と法律規定:現状渡しは、不動産売買契約書や地域の法律規定に基づいて明示されます。契約書には、物件の状態に関する詳細な情報や買主への説明が含まれます。
  2. 責任範囲:現状渡しの原則に従えば、売主は物件の明示された瑕疵(欠陥や不具合)についての責任を負います。ただし、それ以外の通常の劣化や摩耗は買主の責任とされることがあります。
  3. 瑕疵担保責任:一般的な不動産売買契約では、売主は売買時に存在する重大な瑕疵について買主に対して責任を負う場合があります。買主は、瑕疵が発生した場合に修復を求めたり、価格の調整を要求したりできます。
  4. 調査と査定:買主は、物件の状態を把握するために独自に調査を行うことができます。また、不動産の査定も行われ、物件の価値を確認します。
  5. 状態報告書:一部の地域では、売主は物件の状態に関する詳細な報告書を提供する義務がある場合があります。これには、建物の構造、電気設備、配管などの詳細情報が含まれます。

■現状渡しを行う時に注意すべきこととは?

現状渡しでは、物件に生じている問題を修繕しないまま売りに出すことから、売却後にもトラブルが発生する場合があります。
以下の3点に注意しておき、現状渡しによるトラブルを避けましょう。

傷や破損がある箇所を正しく報告する

現状渡しを行う時は、不動産会社に傷や破損がある箇所や程度を細かい部分まで正確に報告するようにしましょう。
物件に生じている不具合は、契約書に記載し、買主と共有することになっています。
そのため、契約書に記載がない不具合が見つかった時には、契約解除となったり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。

契約書に「瑕疵担保責任免責の条項」を入れておく

瑕疵担保責任とは、売主も知らなかった欠陥に対して、売却した後も売主が責任を負わなければならないというものです。
瑕疵担保責任免責の条項を契約書に入れておくことで、引き渡し後の不具合について売主が責任を負う必要がなくなります。

売主が物件に残っている物やごみを処分する

建物に残っている家具やごみなどは売主が処分するか撤去するかして、空にしなくてはなりません。
そのまま残しておくことも可能ですが、その場合は、契約書に明記し、同意を取る必要があるため注意しておきましょう。

■まとめ

現状渡しとは、物件の不具合を修繕・補修しないまま売りに出すことです。
補修費用を節約したり早く売りに出せたりするメリットがあるとともに、売却費用が安くなってしまうというデメリットもあります。
また、現状渡しを行う時には、今回紹介した注意点を参考に、トラブルを防止するための行動を取っていきましょう。