抵当権がついた不動産を相続した時の対処法を紹介します!

抵当権のついた不動産を相続すると、通常の相続不動産よりも複雑な手続きが必要とされます。
抵当権がついた家を相続したが、どのように対処すべきかわからないという方は、この記事を参考にしてください。
今回は、抵当権とは何か、抵当権がついた家を相続した場合にどうすれば良いのかについて紹介していきます。

目次

■抵当権について

抵当権(ていとうけん)は、不動産や動産などの財産に対する担保権の一つです。借金などの債務の返済を保証するために債権者(貸し手)が債務者(借り手)から得る権利です。抵当権を設定することで、債務者が債務不履行となった場合、債権者はその財産を売却して債務の返済を受けることができます。

抵当権の特徴や仕組みについて以下に説明します:

  1. 財産の担保: 抵当権は、不動産や動産(例: 自動車、船、機械など)を担保として設定することができます。債務者が債務を返済しない場合、抵当権者はその財産を差し押さえて売却することで債務の回収を試みることができます。
  2. 設定手続き: 抵当権を設定するには、一般に不動産の場合は登記手続きが必要です。登記所に登記申請を行い、抵当権の設定が登記簿に記録されます。
  3. 抵当権の種類: 一般的には、「抵当権一般」と「抵当権特別」の2つの種類があります。抵当権一般は、複数の債権に対して一つの不動産を担保として設定するもので、抵当権特別は、特定の債権に対して特定の財産を担保として設定するものです。
  4. 抹消: 債務が完済されたり、債務不履行の状態が解消された場合、抵当権は抹消(取り消し)されます。抹消登記手続きを行うことで、登記簿から抵当権の情報が削除されます。

抵当権は、貸し手が貸付を行う際に債務者の信用を確保し、債務の返済を保障する手段として利用されることが多いです。一方で、抵当権を設定する際には契約内容や法律に基づいて注意深く取り扱う必要があります。

■抵当権がついた家を相続した時の対処法とは?

抵当権がついた家を相続することになった場合はどのように対処していけばいいのか、紹介します。

1.抵当権の抹消登記を行う

借金を完済したとしても、自動的に抵当権が消滅するわけではありません。
抵当権がついた家を相続し、借金を完済したら、速やかに抵当権の抹消登記手続きを進めていきましょう。

まず、相続する前に故人が完済していた場合は、相続人のうち1人が登記権利者として抹消登記手続きを行います。
債権者となっていた金融機関に連絡を取り、必要書類を入手しましょう。
不動産の相続時に相続人が複数いる場合に行う遺産分割協議が長引く場合でも、抵当権抹消登記手続きは先に済ませられます。

次に、相続した後に完済した場合、被相続人から相続人へ所有権移転登記を行う必要があります。
新しく名義変更した方が登記権利者となって、抹消登記が行われるという流れです。

2.抵当権抹消登記の流れ

不動産の抵当権を抹消登記する手続きは、一般的な手順を以下に示します。

  1. 必要な書類の収集: 抵当権を抹消するためには、不動産抵当権者から「抵当権抹消証明書」などの書類を取得する必要があります。この証明書には、抵当権の内容や残額が記載されています。
  2. 抹消申請書の作成: 不動産の抵当権を抹消するために、地域の不動産登記所や行政機関が提供する「抹消申請書」を作成します。この書類には、抵当権の詳細や抹消の理由などが記入されます。
  3. 必要な手数料の支払い: 抹消登記手続きには手数料がかかることがあります。地域や法律によって異なるため、手数料についての情報を確認して必要な支払いを行います。
  4. 不動産登記所への提出: 抹消申請書や必要書類、手数料を揃えて、地域の不動産登記所に提出します。提出後、登記所の職員が書類を確認し、手続きの進行状況を案内してくれるでしょう。
  5. 審査と抹消登記: 不動産登記所で審査が行われ、問題がなければ抵当権の抹消登記が行われます。抵当権が正式に抹消されると、不動産の所有者に対する抵当権は取り消されます。
  6. 登記証明書の受取: 抹消登記が完了すると、登記所から抵当権抹消の証明書や登記簿謄本などが発行されます。これらの書類は所有者が保管し、必要に応じて証明できるようにしておく必要があります。

抵当権の抹消登記手続きは、専門的な知識が必要な場合があります。住地ハウジングでは、相続問題のご相談を無料で承っています。お気軽にご相談ください。

■まとめ

抵当権とは何か、また抵当権がついた家を相続した場合の対処はどうすれば良いのかについてご紹介しました。
抵当権がついた家を相続した場合には、この記事で紹介した対処法に従って、速やかに手続きを進めていきましょう。